公益社団法人日本建築積算協会 関東支部
The Building Surveyor’s Institute of Japan from KANTO Branch

建築積算、今さら聞けないこと・・・  

【会員限定質問コーナー】
本を読んでみても、インターネットで調べてみても、よく解らないことってありませんか?今さら会社の人に聞くにも気が引けてしまうような疑問・・そんな時は質問箱へ
 ※大変申し訳ございません。諸事情により質問の受け付けは一次中断させていただきます。

質問箱
【注意事項】
※読者の皆さんの多くが共有できるご質問は、当協会役員からの回答を後日メルマガ上にて掲載させて頂きます。
※回答にはメルマガ発行の都合上、または回答内容の確認のため、1〜2か月かかることもありますので、あらかじめご了承ください。(基準書籍などで簡単に誤解なく回答が得られる質問、あまりにも特殊なケース、建築コスト管理技術範疇でない質問には応じかねる場合がありますので予めご了承ください)

※メールアドレスを正しく入力しないと返信が出来ませんので、入力間違いにお気をつけ下さい。

■質問No.14


コンサル
Pマネ様

2020/6/24
質問:
計画時の工事費ベンチマークについて

 建設コンサルタントにてプロジェクトマネージャーをしております。現在担当案件にてホテルなどの総工事費のベンチマークを作成したく、御協会にて何か参考となるコスト情報や参考書等ございましたらご教示ください。


回答:
 例として記載いただいていますホテル用途のコストは仕様グレードで大きく変化すること以外にも、ビルオーナーが建設して、テナントとしてホテルオペレーターがはいる場合と、ホテルが自社で建設する場合でも大きな差がでます。また、ケースによって甲乙区分が違うこともあり、どこまでが本工事で、どこからがFFE工事になるのかによっても大きな差が出ます。総工事費とのことですが、ホテル工事は、色々な条件が決まっていないと概算算出も単純にはいかず、ベンチマークを設定し適切に運用するには、A工事部分と、仕様や特殊要因、FFEを別に管理しないと大きなトラブルになりかねないので注意が必要です。既にご承知のこととは思いますが、建築コスト管理士ガイドブック3.2.3「建物設計要因とコスト」に記載のとおり、状況によって大きくコストが変わるものであることを十分にご理解頂いているものとしたうえで、ベンチマークとして、下記URLの情報などを利用されてはいかがでしょうか。
(※建築コスト管理士ガイドブックはこの度、大きく内容を更新改訂しました。ぜひ、「新☆建築コスト管理士ガイドブック」をお手元にてご活用くださいますよう、お願い申し上げます。)

【プライス情報】
●JBCI(建設物価調査会 建築のプライス情報)https://www.jbci.jp/
●『月刊建設工事の動き』(書籍ご紹介/建設通信新聞:新聞記事などに公表された契約済情報。地域・種別を網羅)https://www.kensetsunews.com/gekkan_ugoki_guide

【手元の実績情報を補正しベンチマークを策定】
●国交省「建設工事費デフレーター」
https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/jouhouka/sosei_jouhouka_tk4_000112.html
●建設物価調査会「建築費指数」
https://www.kensetu-bukka.or.jp/business/so-ken/shisu/shisu_kentiku/
●建設工業経営研究会「経研標準建築費指数季報」(書籍ご紹介)
http://webcatplus.nii.ac.jp/webcatplus/details/book/25386283.html

【その他】
●建設物価調査会「季刊 建築コスト情報」コストプランニングデータ編(用途別実例による工事費定点観測)https://www.kensetu-bukka.or.jp/trendtopics/costplan/

※他法人団体と活動が競合する等の理由とともに、公益社団法人としての当協会では具体的数字の工事価格情報発信等については行っておりませんので、ご理解願います。



■質問No.13


匿名希望

2016/4/12
質問:
鉄骨工事の『吊り棚足場』の数量計算についてです。

 鉄骨工事の『吊り棚足場』の数量計算についてですが、『建築数量積算基準・同解説』では、『鉄骨軸組部分の建て方の延べ掛け面積を数量とする』とありますが、意味が分かりません。 図示などで解説していただけませんか? よろしくお願いします。



回答:
 鉄骨の足場について基準で第2編仮設、第5節 専用仮設の計測・計算(P7、解説P59)にて、「鉄骨足場には、吊り棚足場、吊りかご足場、吊り枠足場があり、数量は、それぞれ鉄骨軸組み部分の
延床面積、架け長さ及びか所数とする。」と有り、基準の文章のとおり、当該鉄骨造部分の延床面積(一部が鉄骨造となる場合は建築図の求積図などを参照)を計上します。「基準」であげている吊り足場について、「建築積算のための仮設計画標準」(監修:国土交通省大臣官房官庁営繕部、編集・発行:建築コスト管理システム研究所)に詳細な記載があります。この書籍は2003年の版以降、現在販売されておらず最新情報となってはおりませんが、面積計上か、m、か所での計上か理解できると思いますのでご参照ください。添付



■質問No.12


ひろし様

2016/1/19
質問:
内部仕上足場の転用率についての質問です。

 公共建築工事標準単価積算基準の表A1 - 1 -21に転用階数(率)の表があります。3階建ての場合、転用階数3(転用率0.64)を適用として宜しいでしょうか。それとも転用階数2になるのでしょうか。宜しくお願いします。



回答:
 「公共建築工事標準単価積算基準」において、内部躯体足場(鉄筋・型枠足場、躯体支保工。階高4m超の場合)と内部仕上足場(脚立足場:階高4m以下の場合、枠組棚足場:階高4m超の場合)について、複層階に転用する際の基本料」の低減を「転用率」として定めています。
表A1 - 1 -21 には、1階が(転用率1)になっておりますので、3階建ては、転用階数3(転用率0.64)の適用で単価調整ください。
(「転用の回数」ではなく「転用階数」なのでご注意ください。)



■質問No.11


T.Y様

2016/1/19
質問:
木造の木工事の材料費と労務費について

 木造の木工事の材料費と労務費を分けた積算を行なうようにと指示が出ました。労務費の算出方法について教えて下さい。宜しくお願い申し上げます。



回答:
 「建築数量積算基準」には、「木造建築」は対象から外れており、対象構造物内に使用される木工事(下地材・仕上材)に関してのみを規定してます。労務費の算出方法としては、 「建設工事標準歩掛」(建設物価調査会)の2.建築工事のM「木工」に
木工事各部位の単位面積当たり労務、 「工事歩掛要覧」<建築・設備編> (経済調査会)の「12.木工」の@には、「木造家屋」の単位面積当たり労務(大工・普通作業員)が掲載されていますので参考にしてください。



■質問No.10


李様

2016/1/18
質問:
生コンクリート価格スライド表について

 生コンクリート価格スライド表の見方および生コン単価計算(神奈川)のやりかた教えていただけますか?



回答:
 生コンクリートの最新価格を求められてるかと思われます。
生コンクリートの基準配合18-18-20の最新情報価格に、価格スライド表の中から必要項目を
加算してご利用ください。詳しくは、発行元に確認されるのが良いと思います。
神奈川生コンクリート協同組合ホームページを参照いただき、不明点等あれば、問合せ願います。



■質問No.9


てるちゃん様

2015/12/2
質問:
コンクリートの補正値について教えてください。

 補正値TのTは何の略でしょうか?また同様に補正値SのSは何の略でしょうか?
よろしくお願いします。



回答:
 Sは「Strength Correction Value」(そのものずばり「強度」「補正」「値」)のS、
同様に、T(温度補正)は「Temperature=温度」の「T」と考えられます。
下記の質問No.2に「S」値や「T」値等、コンクリート強度補正についての解説がありますので、
併せてご一読ください。




■質問No.8


KK様

2015/10/28
質問:
「杭間さらい」について

 「杭間さらい」という項目がありますが、どういう場合に必要なのでしょうか?
というのは、どの図面のどの内容をみることで「杭間さらい」が必要なのか、全然わかりません。たとえば、杭の長さなどが関係するのでしょうか。積算を始めたばかりでまったくわかりません。教えてください。



回答:
 現場着工しますと一般的に仮設工事の後は杭工事になります。杭工事が終わりますと次の工事は土工事で、土をユンボ等の機械で掘削します。すると当然打設した杭が現われてきます。この杭があるため掘削は非常にやりずらくなります。このため杭まわりの掘削に土工さんの相番・補助が必要になります。このことを杭間ざらいと呼んでいます。杭に付着している泥もスコップ等で土工さんが取り除く、あるいは泥を浚います。小型の掘削機械が必要になる場合もあります。杭の長さには関係しませんが、本数が関係します。よって杭間ざらいを見積書で計上する際は本数を計上する場合が多いです。また一般的に杭間ざらいはPC・RC杭の時に計上します。



■質問No.7


鉄骨初心者様

2015/10/21
質問:
鉄骨の溶接種別、HT1とHT2の判断基準は?

 鉄骨積算で溶接についてですが、鋼管柱の柱脚部分で、ベースプレートと鋼管をT形溶接する場合に、溶接種別として、HT1とするか、HT2とするかの判断はどのようにすれば良いのでしょうか。1と2の違いは裏当てか裏はつりの違いだと思いますが、溶接個所によって使い分けが必要なのでしょうか。



回答:
 通常溶接指示は図面に従います。指示の無い不明部分については質疑回答によります。
溶接記号のHT1.HT2はT形完全溶込み(とけこみ)溶接です。HT1とHT2の違いはご質問の通り、裏板付か裏斫りかの違いです。ベースプレートに鋼管を接合する場合は、鋼管の内部から、裏斫りは出来ません。その為、外側からHT1(裏板付)溶接を行います。一般にHTIを採用するか、HT2を採用するかは、裏面から溶接を行うことが出来るか、出来ないか、で決まります。その為、工場溶接ではHT1もHT2も行いますが、現場溶接で完全溶込み溶接を施工する場合は、必ずHT1を採用します。



■質問No.6


TK様

2015/01/09
質問:
建具廻りのシーリング撤去について

 「建築改修工事の積算」の事例に建具改修工法がありますが。既設の窓及び腰壁を撤去し、掃き出し建具を取り付ける場合。建具廻りのシーリングは建具周囲はつりに含むと考えてよろしいでしょうか。ご教示下さい。



回答:
 図面に予め撤去すべきシーリングが明示されている場合は、「建築数量積算基準・同解説」P163に記しているように、断面寸法ごとの長さをシーリング撤去として計上します。しかし、はつりや枠撤去と同時にシーリングも一緒に撤去できますので、特に明示していない場合は、はつりや枠撤去に含めて考えるケースもあります。したがって、建具の収まりや施工仕様を詳細図で確認して適宜判断することが必要です。ご質問のように腰壁を撤去する場合、既存の窓台は解体しますので、その場所のシーリング撤去は不要であり、左右とまぐさの3方だけの撤去を計上するものと考えます。



■質問No.5


積算太郎様

2014/03/04
質問:
隅肉溶接のT継手について。


 鉄骨積算を初めたばかりの者です。初歩的な質問ですいません。
上司より隅肉溶接において基本的には板厚が異なる場合は、
薄い方の板厚にあわせて溶接寸法を決定すると聞きましたが、
例えば板厚19mmの物を板厚12mmにT字になるように突き
当てて隅肉溶接(両隅)を行う場合、寸法としては12mmとし
6mm換算値も12mmの物を使用するのでしょうか。
換算表の所の絵を見ると19mmで考えるような気がするのですが。
宜しくお願い致します。



回答:
 上司の方が仰る通り。隅肉溶接において、板厚が異なる場合は、薄い方の板厚にあわせてサイズを決定するということで合っております。

「鋼構造設計規準(日本建築学会)」にも、「隅肉溶接のサイズは、薄いほうの母材の厚さ以下でなければならない。」と記載があります。(ただし、T継手で板厚6mm以下の鋼板を隅肉溶接で接合する場合は、隅肉のサイズを薄い方の材の板厚の1.5倍、かつ6mm以下まで増すことができる。)

薄い方の板厚にあわせてサイズを決定する理由
必要以上に大きなサイズの溶接をするとどうなるか
・ひずみが大きくなる。
・強度は、のど厚に比例して大きくならず、のど厚を大きくすればむしろ単位のど断面当りの

 静的強度は小さくなる傾向がある。
・母材に対する熱影響が大きくなる。
・溶接費が増加する。
などがあります。

また、「鋼構造設計規準(日本建築学会)」には
・溶接ひずみおよび残留応力などが小さくなるように設計すること。
・溶接が均衡を保ち、かつその量がなるべく少なくなるように設計すること。と記載があります。

隅肉溶接の、のど厚は次の式で決める。
のど厚の断面=1 /√2S≒0.7S(但しS は隅肉溶接の脚長を示す)

但し、「突合せ溶接」のT継手および、かど継手の場合においては突合せるほうの母材の厚さとします。



■質問No.4


構造担当様
2014/02/07
質問:
改修工事における耐震壁等のコンクリート打設に伴う
ポンプ圧送基本料金の計上回数について。


 新築工事のポンプ圧送費基本料金は、150m3/回と目安がありますが、
改修工事(複数階に点在する耐震壁等)の場合、ポンプ圧送費基本料金の回数はどのように考えれば宜しいのでしょうか。回数の考え方の目安等ありましたら教えて下さい。お願いします。



回答:
 まず、市場単価で示される「ポンプ圧送基本料金」にはポンプ車損料の他、ポンプ車回送費、ポンプ組立・配管、専門工事業者諸経費等が含まれるのが一般的(地区により取引形態が異なることがある)ですが、これは打設日ごとのポンプ車1台、1回あたりの価格です。新築工事などで標準打設量とされる事が多い「150m3/回」ですが、改修工事の場合、打設対象物の部位や構造、施工条件等によってさまざまに変化しますので明確な基準はありません。例えば耐震壁の増設において、高さ3m 厚200oの壁のみで単純計算すると延べ250mの壁量になりますが、これだけの壁を1日に打設するのは現実的ではなく、それ以前にそのような大規模な壁増設を行う建物は極めて特殊な例でしょう。改修工事の場合、階ごとに施工工程が組まれることが多く、複数階を一日に打設する工程を組むことが可能な現場を除いて
「階ごとに1回」の計上で問題は無いものと考えられます。同じ階に耐震壁が多数点在していれば、配管やブームの切り回しを考慮し「工区ごとに1回」など、工程表や打設計画による検討も必要になります。

耐震改修工事の場合、コンクリート打設手間単価の扱いにも注意が必要です。多くの場合、流し込み工法や圧入工法等(刊行物(建築施工単価)の耐震改修工事の欄に掲載されています)が採用されます。当該個所までポンプで圧送しますので、ポンプ圧送料金(基本料共)も計上します。例えば、長さ5m 高さ3m 厚200oの壁が3枚あったとしてもコンクリート数量は9m3。この場合、少量打設として労務歩掛でも一般的な打設の6倍以上を要します。これは、基本料の回数以上に金額への影響が大きいので、注意が必要です。



■質問No.3


佐藤亮一様
2013/09/27
質問:
鉄骨解体の運搬費について質問します。


 鉄骨部材は既存構造図により、新築と同様に数量が積算できます。
とある建築工事の単価には鉄骨とりこわし材運搬の単価がないので、運搬費は計上せず、そのままスクラップでマイナス計上していますが、運搬費は見ないのでしょうか。


回答:
 刊行物に掲載されているスクラップの買い取り価格は、問屋店頭買い入れ価格、問屋ヤード持込価格、となっています。多くの場合、現場元請業者が運搬等を手配して問屋へ持ち込むということは稀であり、通常、集荷業者、スクラップ屋さんが現地に取りにきて、運搬費や積込費用等の必要経費を差し引いた買い取り価格で取引されます。このため、有価材処分としての計上は「別途」として扱う事も多いようです。

ご質問は、スクラップ買い取り分の控除をしながら、運搬費を計上しない積算運用のケースですが、本来であれば、刊行物掲載の価格を算出に利用するなら、
運搬費は別に計上されるべきでしょう。しかしながらご存じのとおり、スクラップの買い取り価格の変動は他の主要資材に比べ、非常に頻繁で値動き幅が大きい事もあり、問屋がヤードに集積したものを相場が上った時期をみて売ることが出来れば、買取価格の市場相場にて運搬費を差し引いても利益がでる事も多く、その実状から、運搬費・積込費を計上しないで運用されるケースも多いようです。この考え方も鋼材の市況が売り手市場の時期と買い手市場の時期とでは、状況が変わりますので、常に妥当であるとは限りません。公共発注案件の積算の場合は、発注側担当者と随時、考え方の確認をして頂くのが良いかと思われます。



■質問No.2


教えてください♪様

2013/07/05
質問:
コンクリートの温度補正について質問します。


 そもそも、何のために必要なのでしょうか。冬季だけでなく、夏にも必要なのは、なぜでしょうか。プラントや現場など生産の場面で、実際にはどのような対処をしているのでしょうか。



回答:
@コンクリートの温度補正は何のために必要なのでしょうか。

【寒中においては、強度管理材齢(主に28日)に設計基準強度を確保する為です。】
まず、「温度補正」という呼称は、今でも通じますが、2009年度版の標準仕様書(JASS 5)における大幅な考え方の改定を受けて温度に伴う補正値(T)が廃止され、
「構造体強度補正値(S)」が導入されており、現在では正式には使えませんのでご注意ください。

コンクリートの強度発現の速さは気温・養生温度によって左右され、気温が低い場合は強度発現が遅れます。コンクリート打設後、施工段階における強度確保が必要になりますが、
定められた強度管理材齢(主に28日)に設計基準強度を確保する為に強度補正を行います。寒中では、28日目に必要な強度を得るためには、あらかじめ強度を高く設定しておく必要があり、一般的には、AE剤、AE減水剤、高性能AE減水剤等の混和剤を用いる事により、打設後28日目において設計基準強度を確保します。

普通コンクリートの場合、打設から28日目までの予想平均気温が8℃以上の場合「構造体強度補正値(S)」は3N/mm2ですが、0℃以上8℃未満の場合は6N/mm2の補正を行います。この補正値の考え方は皆さんご存じの通り、旧基準とは大きく変わっています。コンクリート数量積算時においては、特記仕様書に示された寒中・暑中におけるコンクリートの適用期間と工程表から各部位の打設時期を特定することにより、「構造体強度補正値(S)」ごとの数量を区分する必要があります。

A冬季だけでなく、夏にも必要なのはなぜか。
【暑中においては、コンクリートの性能低下を防止するためです。】
夏期は高温により、スランプ低下、水分の蒸発等によるコールドジョイントやひび割れ、長期強度の増進不良、耐久性の低下等、様々な問題が発生し易くなります。2009年度版のJASS 5改定をうけて、これら、コンクリートの性能低下を防止するために、冬期と同様に混和剤等の調合による補正が必要となりました。

暑中におけるコンクリートの適用期間として、
一日の平均気温が25℃を超える期間に打設を行う場合に対応が必要であり、この場合の「構造体強度補正値(S)」は特記に記載が無い場合は6N/mm2の補正を行います。例えば東京の場合、JASS 5によれば、7月13日から9月8日まで、とされています。(発注機関によっては独自の期間設定をされている事が有りますので注意してください)

Bプラントや現場など生産の場面はどのような対処をしているのでしょうか。
【プラントにおいては打設日の温度により設計基準強度を確保できる混和剤等の調合を行います。】
暑中におけるコンクリートの場合、練混ぜから打込終了まで90分が限度とされており、綿密な時間管理を要します。現場では散水・保水マットなど湿潤状態を保つ養生や、温度管理を行います。国交省監修の「公共建築工事標準仕様書」や「建築工事監理指針」の記載内容を理解することが重要ですが、日本建築学会「建築工事標準仕様書・同解説」(JASS 5)には、さらに詳しい基準と解説がありますので、ご参照ください。

※補足
コンクリート強度関係に関しては記号がいくつか出てきますので、あらためて整理してみましょう。

F:コンクリートの調合強度
Fm:コンクリートの調合管理強度
  =Fq(コンクリートの品質基準強度)+mSn(構造体強度補正値)
  レディーミクストコンクリートを発注する場合の「呼び強度」と同値。
Fq:コンクリートの品質基準強度=Fc(コンクリートの設計基準強度)とFd(耐久設計基準強度)
  のうち、大きいほうの値。建築物に要求される品質を得るために必要とするコンクリートの圧縮強度。
Fc:コンクリートの設計基準強度=建築物の構造計算において基準とするコンクリートの圧縮強度。
Fd:耐久設計基準強度=建築物の計画供用期間に応じた耐久性を確保するために必要とされる
  コンクリートの圧縮強度。
S:構造体強度補正値。例えば、mSnと記載する場合は、標準養生した供試体の材齢m日における
  圧縮強度と、構造体コンクリートの材齢n日における圧縮強度の差による構造体強度補正値。



■質問No.1


佐藤亮一様
2013/06/11
質問:
溶接長の値入について質問します。


 埼玉県の設計をしています。
積算講習でも習った通り、鉄骨の溶接長をサイズに合わせてわざわざ6ミリ換算しますが、県単や物価本に単価がないので実際には使っていません。どのように内訳書に記載し、値入をするのでしょうか。また、根拠となる単価は何を使いますか。以上よろしくお願いいたします。


回答:
 まず、溶接の6ミリ換算をする目的についてですが、溶接の断面形状、サイズごとに単価項目を起こすとなるとそれだけで内訳書は膨大な事になってしまいますし、あらゆる断面形状種類とサイズごとの単価を管理することは非常に大変です。

そこで合理的に
溶接全体量のコストを管理する為に、すみ肉溶接の脚長6ミリの場合の断面積(余盛を含む)に換算する方法がとられています。裏当て金の溶接サイズが、1パス4〜6ミリで管理することになっている(JASS 6)事から、6ミリを基準として換算するのが一般的になり、建築数量積算基準および、公共建築工事積算基準においても、現場溶接においては6ミリ換算による延べ長さで数量を計上するルールになっています。

見積明細書では、工場溶接は
工場加工費としてton単価に含まれる場合が一般的なので、項目として現れない場合もありますが、工場加工費を算出する為には工場溶接の数量が必要になります。(詳しくは、「建設工事標準歩掛」または「工事歩掛要覧」の本をご覧ください)御質問について、「建築コスト情報」、「建築施工単価」共に、鉄骨工事の中に、大きく工場溶接と現場溶接に分け(施工環境により単価が異なるため)て、隅肉6ミリ換算のmあたりの材工単価が掲載されています。

ちなみにその1mあたりの内容構成は、CO2ワイヤー:0.28kg、炭酸ガス:0.14kg、溶接工:0.05人、溶接器具損量、その他、となっています。現場溶接は基本的に、見積明細書に項目として現れますが、現場溶接のない建物の場合は当然表記されません。